『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々』(リック・リオーダン)全五巻を読了する。 現代アメリカとギリシア神話の神々をからめたシリーズは、文句なく面白い。 ヤングアダルト作品というジャンルでくくるのは残念だ。 もちろん12歳の少年が18歳にまで成長する過程をおうわけだから、ジュブナイルという「くくり」に含まれる。 ハリー・ポッターと同じだから、大人が読むのはどうかという考えもあるだろうが、少年マンガがたのしめるなら問題ない。 それにしても、いまどき少年・少女マンガにアレルギーがある大人なんているだろうか。そんなのは、よほどの年寄りか、リテラシーのない人間だけだろう。 なぜ、あんなに面白かったのだろう。 理由はいくつかある。 一つには、ギリシア神話の神々が登場するくせに、舞台はギリシア・ローマ時代ではなく、現代アメリカだということにある。 パーシーが冒険する場所が、なじみのない古代ギリシアのポリスや、古代ローマのカタコンベだったりしたら、仕事で疲れた中年親父としてははまず読めない。 実際のアメリカで教育を受けた経験はないが、パーシーが通う学校の様子をみると、アメリカの中高生は大変だとわかるお話になっている。ハリポタと同じで、このあたり大昔の中高生にも親しみがわく。 これとからんで、もう一つの面白いエレメントがあるけれど、それは次回に書くことにしよう。 (続く)
【題名】
パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々 盗まれた雷撃 パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々〈2〉魔海の冒険 パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々〈3〉タイタンの呪い パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々〈4〉迷宮の戦い パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々〈5〉 最後の神 【詳細】 リック・リオーダン (著), 金原瑞人/ 小林みき (翻訳) ほるぷ出版 |
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