お気楽読書日記:8月

作成 工藤龍大


8月

8月26日

久しぶりに更新する。

連日残業が続いて、こちらまで手が回らなかった。
通勤時間は読書ではなく、中国語と数独に費やしている。
家では、作業に関連する資料を読むだけ。
ほんとうに不毛な知的生活だ。

本業の翻訳では会計ソフトや金融ソフトのローカライズをしている。
IT のほかに会計、金融の勉強ができて楽しい。
コンピュータ翻訳は、PC ではやってゆけない。
ひところはサーバー系製品のローカライズが流行ったが、こちらも頭打ちになっている。残された領域が ERP(エンタープライズ リソース プランニング)製品だ。

簡単に言えば、会計・金融関係の IT 製品だ。
勉強することが多くて大変だが、たのしい。

ブログでも書いているが、石森章太郎原作(石ノ森と改名する前に書いた)の「スカルマン」がマイブームである。

これは原作マンガとは設定、ストーリーがまったく違うアニメ新作というべき内容だ。
「鋼の錬金術師」「妖奇士(あやかしあやし)」を制作したボンズ(Bonse)がアニメ化している。

ペダンティックで大時代的、いいかえれば七十年代ティーストに溢れているので、実に嬉しい。

シェークスピアからの引用が多く、いかにもダークヒーローらしい雰囲気を出している。

たとえば、第三夜(普通、第三話というところをこの作品では「第○夜」とする)では、マクベスの科白が使われている。

科白:
「これほど輝きに満ちて穢れた日は、おれははじめてだ」
原文では "So foul and fair a day I have not seen." (Macbeth)

もちろん「きれいは穢い、穢いはきれい」もある。
("Fair is foul, fuol is fair. ")

第八夜(第八回)は「リチャード三世」
科白:
「血と罪に塗れし者よ。罪におののきながら目覚めよ。獣の血にまみれ、最後の日を迎えるがいい」
これは「リチャード三世第五幕の亡霊だね」という科白があったので、原文を見つけることができた。

原文ではこうだ。
"Bloody and guilty, guiltily awake,
And in a blodey battle end thy days"

こういう調べ物は時間をわすれるぐらい楽しい。

ブログの補完になるが、ブレインギア総帥の言葉の出所を見つけた。
「わたしは最初にして最後の者、また生きている者である。
一度は死んだが、見よ、世々限りなく生きて、死と陰府(よみ)の鍵を持っている。」
ヨハネ黙示録第一章十八節だった。

格調高く、King James版でみると、こうなる。
"I am the first and the last.
I am he that liveth, and was dead;
and behold, I am alive for evermore,
Amen; and have the keys of hell and of death."

ボンズが関わるアニメは、こういう大人の遊びがあって、「大きなお友だち(=いい年こいたアニメ特撮好き)」には嬉しい御馳走である。


近況報告(その1)
ところで、先月からダイエットを再開した。
現在は72.6キロまで減った。
この調子で9月には71キロ台をめざしている。
とりあえず、8月31日には72.0キロになりたい!


近況報告(その2)
「モスラの精神史」(小野 俊太郎 )という本をよんだ。
なかなかおもしろかった。
そのうちに報告してみたい。

またイギリスの児童文学者ローズマリ・サトクリフの歴史小説がおもしろい。
こちらは数冊読んだが、どれも傑作だ。
いずれ読書日記で照会してみたい。

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